前回の記事で、
「手で打つ」というシンプルかつ常識外れ意識を持って強い打球を打つ
という考察をしました。
このページではその動作を応用して、
「反対方向」へ強い打球を打つための感覚を得る方法を書き残しておきます。
こんな人に読んで欲しい
このページはこんな思いを抱いている人に読んで欲しいと思っています。
✅引っ張り方向には強い打球が打てるのに…
✅ボールをじっくりと見て、確実に、でも強い打球を打ちたい
✅振り遅れても遠くに飛ばす、相手の脅威でありたい
プロの選手ですら流し方向への打球は弱くなりがちですが、草野球レベルではそれ以上に流し方向への打球は弱くなる傾向があります。右バッターで言えば、ライトが前進守備をすることも珍しくないですし、ライトゴロが発生する可能性も多いです。
それを恐れて引っ張り気味に打とうとすれば、引っ掛けてゴロになったり、相手投手の緩急にやられやすくなってもしまいます。
そのため、ボールを引き付けて、よく見定めて、確実にヒットを打つことが出来れば攻撃の幅は広がります。
その上で流し方向に強い打球を打つことが出来れば、相手の脅威になることさえ可能です。
なので反対方向へ強く打つバッティングを身につけることは野球をする上で非常に重要です。
結論
反対方向へ強い打球を打つためには
バットが加速するポイントを理解する必要がある。
バッティングはバットをボールにぶつける作業です。
そのバットとボールがぶつかる瞬間にバットが加速していればボールは遠くへ飛びます。
なので、バットが加速するポイントを後ろ側にすることができれば、反対方向へ強いボールを飛ばすことが可能だと考えられます。
この結論のきっかけ
きっかけは意外なアイテム。
それで得た「しなりの感覚」でバットが加速するポイントを意識できるようになりました。
ある意外なアイテムとは運送業界で使われるゴム製の棒です。
もちろんですが、素振りをするための道具ではありません。キャスター付きの台車が転がっていかないために抑えておく道具です。
ある時、このゴムの棒を使って素振りをする機会がありました。
このゴムの棒、振るとめちゃめちゃしなります。硬くないので縦にして構えることは出来ないくらいです。
このしなる棒を振って、反動する瞬間を確認しているうちに、「しなりの感覚」を体得したようで、反対方向へ強い打球を打てるようになりました。
私が子どもの頃に教わった「腰を回転させて打つバッティング」では反対方向への長打はあまり期待できないという考えが強くなりました。
(本当にパワーのある人だったらできるのかも)
あくまでも感覚ベースで得た話ではあるのですが、てこの原理的に間違ってもなさそうだなと考えられます。
「しなり」は力を生み出す
「しなり」を利用することで
「小さな力から大きな力を生み出す」
ことができる。
ムチを振ると手元(力点)で小さな動きを作って、先端(作用点)の方で大きな動きに変わります。
しなるポイントが支点となって、小さな力で大きな力を生み出します。
実際に野球で使用するバットは硬いので、しならせることが出来るわけではありません。
しかし、しなる棒を使って練習することさえできれば、スイング中にバットがしなるポイントを把握することが出来るわけです。
バットがしなると、反動で加速します。
つまりバットがしなるポイントを把握できれば、バットが加速するポイントを把握できるということになります。
「手で打つ意識」で「しなる」ポイント
「手で打つ感覚」でバットを振った時にバットが「しなる」ポイントこそ、
反対方向への飛距離を実現できるポイント
前回の記事で書いたように、「手で打つ意識」でしなる棒を振ってみると…
手を引いた後、引いた手を前に引っ張ってくるタイミングで、グリップ部分よりも先端部が反って、遅れてついてくる状態となります。
この後、棒がどういう動きをするかというと
体の横を通るあたりで反った先端部分が前に飛び出ていきます。
てこの原理で言うと
体の横が支点となっていると考えられます。
この瞬間、手が引っ張るスピードをバットの先端が追い抜くだけのスイングスピードが発生していると考えられます。
右バッターで言うと
バットの面がライト方向からセンター方向へ向くあたりで加速しているので、反対方向に強い打球が打てるのだと考えられます。
バットを握る手を追いかける形で腰が回ってくるので、引っ張り方向でも強い打球は打てるのではないかと思います。
腰からの回転で「しなる」ポイント
腰を先に回転させる打ち方では…
体より前、バットの面がショートの当たりに向いた頃にやっと先端が追い抜いていくような状態になります。
(右バッターの場合)
引っ張り方向でやっと加速していることになるので、強い打球が打てる範囲が狭まってしまうことになります。
また、振り遅れたときや外角の球に対して、
腰が先に回ってしまっていると手で押す力が加えられません。(←感覚的な話)
実際のところ、腰を回すバッティングをしていた頃は、反対方向への強い打球を打てたことがありません。
ライトが前進してくるくらいの球しか打ったことがありませんでした。
「しなりの感覚」を身につけるトレーニングバット
上で紹介したゴムの棒ではなく
しなる素材で作られたバットも存在しているようです。
このバットの目的が「反対方向への長打」かどうかまでは記載されていませんが、「しなりの感覚を身につける」という記載はあります。
ちゃんとバットの形をした道具で練習をしたい場合は、これを使うのが効果的かもしれません。
話のまとめ
✅しなるバットで練習すると
バットが加速するポイントを体感できる。
✅「手で打つ意識」でバットを後ろに引くと
加速ポイントは後ろになる。
✅「手で打つ意識」で反対方向に強く打てる。